FA

アジアNO.1の喜びも束の間、野球界は福留FAの話題で一色となった。
それに関して寄せられるファンからの言葉の多さに「あの下手っぴぃだった孝介もこれだけの選手になったんだな」とあらためて実感した。

ここまでこれたのは、もちろん本人の努力であることは紛れもない。
だが、もし星野監督が我慢して使い続けていなければ、高代コーチが毎日ノックを打ってくれなければ、山田監督が外野へのコンバートをしなければ、ファンが見放してしまっていたら、今日の福留孝介は生まれていなかっただろう。

孝介自身がなにを考え、どこへ向かおうとしているかなど知る由もないが、たとえドラゴンズのユニフォームを脱ぐことになったとしても、育ててくれたドラゴンズ、応援してくれたファンへの感謝は忘れないでもらいたいとおもう。
そして、相見えることになったときには、今度はドラゴンズが育てた投手が全力で福留孝介を仕留めにいくことを覚えておいてほしい。






「球界を汚し、選手の心をスポイル(ダメにする)、悪魔の法則である。」

星野仙一は自身の著書にこう綴っている。
また、現行制度では金持ち球団だけがいい選手を集めることが出来、貧乏球団は痩せ細っていく傾向は否定できない-とも、ファンからの質問に対して自身のHPで答えている。

調べてみたところ、2006年までにFA移籍選手の移籍先を多い順でみていくと、メジャーと読売が最多で並び12人、ついで福岡(ダイエー、ソフトバンク)の7人となるのに対して、少ない順では、広島、ヤクルト、楽天(近鉄)が0人、オリックス、西武、ロッテ、日ハムが1人、横浜2人、中日4人、阪神5人となっている。(移籍元最多はオリックスの7人)

これをみれば、すべてではないにしても、結局のところは「お金という名の誠意」で移籍先を決めているといわれても仕方のないことだろう。
プロなのだから当然だ。という考えを否定するつもりはない。だが、プロ野球全体のことを考えれば、このFAという制度によってプロ野球がつまらないものへとなっているともいえるのではないだろうか。

職業選択の自由という観点からみれば、現行のドラフト制度上、FA権は致し方ないとはおもう。
ただそれには、戦力の均衡を図る上で、各球団の経営努力はもちろんのこと、メジャーのような収益分配制度の導入が不可欠なのだ。
それを以ってしても、応援した選手が移籍するという事態を回避することはできないが、少なくともここまであからさまな移籍先の偏りはでないはずである。

もうひとつ、年俸がいつまで経っても「推定」なことに違和感を感じる。
なぜなら選手が年俸を評価とするように、ファンにしても年俸=球団の選手に対する評価だと受け止めているからだ。
今回の孝介を例に挙げれば、球団評価は4年17億となってはいるものの、それは表向きで実際のところはもっと多くの額を提示しているだろう。

そこには来年も憲伸、井端といった主力がFA権を取得するため、その基準となる孝介の評価をあえて抑えて発表する球団の思惑があると想像できる。
しかし、先にも書いたようにファンがそれを事実と受け止めれば、なぜもっと高額を出して引き止めないのか。となるのは当たり前のことなのだ。

プロ野球選手は個人であって個人にあらず。
プロ野球もまたファンによって支えられなければ成り立つものではない。

ファンは球団の勝敗だけでなく、選手ひとりの動向にも涙し、怒り、励まし、そして応援している。
その多くのファン、とくに選手に夢や憧れを抱く子供たちのためにも、この悪魔の制度を改革してもらいたいと願うばかりである。
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by kuunn_17 | 2007-11-15 20:02 | 中日ドラゴンズ

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