野球のない週末

久しぶりに味わった『野球のない週末』。
日本一になれなかったことは、悔しくもなく、悲しくもない、ただ「一年が終わった」という感覚でしかなかった。だけど、ひょっとしたら、第7戦が行われていたかもしれない日に試合がない現実には、『空』を感じずにはいられなかった。

それに加えて報じられる選手の去就。
ストーブリーグとは呼べない暖かさの中で、今年もユニフォームを脱ぐ選手達がいる。
自らの意思で脱ぐ者、意思とは別に脱がざるを得なくなる者…。
制限がある以上は、誰かが袖を通せば、誰かが脱がなくてはならない。頭ではわかっている。だが、そんな現実とは別に、やはり寂しいというのが素直な気持ちだ。

そんな中、30日に行われたオーナー報告で落合監督の続投が正式決定された。
3年間で二度、チームを優勝へ導いた名将は、手にした『強さ』だけではなく『勝つ』チームへ、さらなる高さを追求するという。
勝つためには、当然犠牲としなければならないものもある。最終的な目標を成し遂げるためには情けがあってはならない。それが選手、コーチの登用であり、戦力外通告なのだろう。
ただ、何をもって最終目標とするのか・・・。
全ての人が『勝つ』ことを求めているのか?そうではないはずだ。
少なくとも僕はドラゴンズに勝利だけを求めてはいない。負けっぱなしでも、つまらないとは思わないし、ドラゴンズのことを嫌いにはならない。なぜなら、負けて「あ〜でもない。こ〜でもない。」と、愚痴を言ったりするのもプロ野球の面白さだからだ。

「絶大な人気があった星野監督から山田監督に代わって、政財界もそっぽを向いている。選手からの人気もないし…。」落合監督の就任前、山田監督が指揮をとっていた、2003年の春、某球団関係者がこんなことを言っていた。
そこで山田監督解任時に、球団フロントの出した結論が『お客さんを呼べる監督』『人気があり、優勝が争えてファンの期待に十分応えられるチームにしてくれる人』というものだった。

偉大だった星野監督の後を請けた山田監督が可哀想でもあったが、この球団フロントの思いはわかる。スポンサーがいなければ運営していけないのだから。
そこで白羽の矢が刺さり、落合監督が生まれるわけだが、3年で二度の優勝という快挙を成し遂げるも、平日のドームの空席が埋まることはなかった。それが優勝へ導きながらも、11月の声を聞く直前まで内定をもらえなかった大きな要因だろう。

先に記した球団フロントの思いから『人気』を取ると・・・。
そう、優勝が争えてファンの期待に十分応えられるチームにする。この一点しかない。
しかし、ファンの目も3年で二度も優勝を味わえば肥えてくる。
そうなると、落合監督に見い出す価値は『勝つ』こと以外、なにも残されていないということになる。
それだけに『勝つチーム作り』というスローガンになったのだろう。
が、あえて何度も言う。勝ち続けることは『怖さ』も合わせ持っているのだ。
故に、「勝負事は時には負けることも必要だ。」と僕は考える。
それが来年でなければいけないとは言い切れないし、負けるために戦えとは思わない。
だが、落合監督の「勝負事は勝たなきゃダメ。」という言葉が全てではないと思う。

毎年、“勝つため”に失われていく、たくさんの“思い”。この思いが、いつの日にか思い出に変わってくれることを願う『野球のない週末』だった。



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“みっちゃん”のこの笑顔を見ることはもうできない。
少なくともドラゴンズでは…。そう思うと、残念でならない。

野球の指導者になる道を捨て、プロの世界に飛び込んだ高橋光信。
球団のため、オフも精力的に行事に参加した。
今季、9月3日に抹消されたのも公傷だった。
しかし、それでも球団が用意したものは、戦力外通告という冷たい仕打ち。
「これが世の中の現実かな、と…。」
プロの世界に飛び込んだ以上、こうなることも受け止めなければならない現実。
それを受け止めた上で「現役を続けようと思っている。」という決意。
野球の指導者は、プロを引退してからでもまだ十分間に合う。
再び光信の目が指導者に向いたとき、この経験が必ず活かされると信じたい。

がんばれ、みっちゃん!!
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by kuunn_17 | 2006-10-31 19:57 | 中日ドラゴンズ

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