一樹、起死回生の同点弾に見た積極性としたたかさ

阪神 3-3 中日(甲子園)

甲子園のつんざくような“あと一球コール”を一樹が撃ち破った。
2−3で迎えた9回。二死から英智に代わる代打で登場した一樹は、阪神の守護神藤川が投じた6球目、カウント2−1、外より高め151kmのストレートをぶっ叩くと、打球はぐんぐん伸び、バックスクリーン横に放り込む値千金の同点HRとなった。

「いいピッチャーなので真っすぐを1、2、3で思い切って打っていきました。見逃せばボールだったけど、うまく打てました」と一樹。(日刊スポーツ)
思い切って打つ。これがこの会心のHRを生み出した原動力だったのだろう。
その証拠に藤川が一樹に対して投じた6球のうち、見逃したのはわずかに1球。ストライク、ボールは関係ないといった感じで振りにいった。
「高めのボール球に手を出さないように」相手が藤川だとそうも言いたくなる。
しかし、それを意識すると振り遅れる。だったらボールだろうがなんだろうが打ちにいく。一樹はそう思ったのではないのだろうか。
それでいて4球目の球だけはなぜか見逃した。理由はなぜだかわからないが、積極的の中にしたたかさを合わせ持つ一樹。それが代打でHRを打てる理由なのかもしれない。




試合後、落合監督はこの日の試合を振り返った。
「1回にもう1点取っていればゲーム展開は変わっただろうけれど。あと朝倉をもう1イニング引っ張ってればなぁ。まぁ上にいるチームは負けなければいいんだ。」
たしかに負けていたのならば、初回の攻撃は今日の試合において大きな局面だったし、将が結果責任を問われるならば“継投ミス”と批難されただろう。
しかし、それも負けなかったことで水に流れた。

ドラゴンズにとっては勝ちに等しい引き分け。逆に、阪神にとっては悔やまれる引き分けだっただろう。
僕が思うに、この引き分けは結果的に昨日の中田が作った引き分けであるともいえる。
正確には落合監督が作った引き分けだというべきだろうか。

昨日の試合後、落合監督はこんなことを言っている。
「中継ぎを使うのがもったいない」
この意味は『こんな試合で』ともとれるが『これからの為に』ともとれる。
あるいはどちらともなのかもしれないが、この“もったいない”が今日の引き分けに繋がったもうひとつの要因だった。

同点とした9回には岩瀬が、10、11回には鈴木が、12回にはデニーが投げて無失点で切り抜けている。(7回、8回は平井、岡本が上がりともに失点)
今日マウンドに上がった中継ぎ陣の共通点、それは昨日の試合に登板していないということだ。

もし、これが連投だったのならば、いい意味で捉えるとこの勝ちに等しい引き分けはなかったかもしれない。しかし、悪く捉えれば、本当の勝利を収めたかもしれない。
結果がどう転がったなど知る由もないが、勝ちに等しい引き分けに持ち込めたということは“是”としなければならないだろう。
どちらにせよ、今日の試合は落合監督が昨日の時点で作り上げた試合だったような気がする。
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by kuunn_17 | 2006-08-30 23:38 | '06 Dragons 観戦記

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